その瞳に…魅せられて。
「愛情。そう言いたいのよ。」
にっこりと微笑んだルージュ。
ジキルは黙っていた。
「愛しそうに見てたわ。彼女の事。
…愛しているんでしょう?」
そっと呟くように言ったルージュに…
ジキルは能力で剣を出して
首元に突きつけた。
目を丸くするルージュ。
その顔は恐怖そのもの…。
「愛?…くだらない。
たとえ、人間にそんな感情があろうとも。
俺には無い。俺には…憎しみしかな。」
ジキルの射るような瞳に…息を飲むルージュ。
「二度と…ふざけた事を口にするな。」
ジキルはそう剣を消し、空を眺めた。