その瞳に…魅せられて。









「愛情。そう言いたいのよ。」

にっこりと微笑んだルージュ。


ジキルは黙っていた。


「愛しそうに見てたわ。彼女の事。
…愛しているんでしょう?」

そっと呟くように言ったルージュに…
ジキルは能力で剣を出して
首元に突きつけた。


目を丸くするルージュ。
その顔は恐怖そのもの…。


「愛?…くだらない。
たとえ、人間にそんな感情があろうとも。
俺には無い。俺には…憎しみしかな。」

ジキルの射るような瞳に…息を飲むルージュ。


「二度と…ふざけた事を口にするな。」

ジキルはそう剣を消し、空を眺めた。









< 141 / 233 >

この作品をシェア

pagetop