その瞳に…魅せられて。
互いに掴みかかっている2人。
ラックスはドアからそれを見ていた。
「愛ゆえ…そう言いたいのか?
ふっ…口だけは達者だ。
潔くて良い。…だが!」
ジキルは目力を強める…。
真っ赤な血は…絨毯を汚した。
「貴様はそんな物分りの良い人間か?
今まで俺が見てきた貴様という人間は
自分で何でもするという男だった。
今は投げやりだがな。
まるで尻尾を巻いた犬。」
良い見せ物だ。と、ジキル鼻で笑った。
「ゼルを他の男に渡せるほど…
お前は潔くない。」
ジキルはそうライターを
一心に見つめる…。