その瞳に…魅せられて。
肩で息をするルアンに
ジキルはため息を吐いた…。
「同種族として…汚らわしい。
女だからと、逃げているのだろう?」
ジキルの言葉に…ルアンは顔を上げる…。
「言葉が話せぬ?だからなんだ。
同じ能力を持つべきものなら…
もっと、殺意を抱いたらどうだ?」
嘲笑うかのようにルアンを見据えるジキル…。
ルアンは悔しそうな表情を浮かべた。
「勘違いは止してほしい。
俺はただ…お前を道具として使っただけ。
セイル・ボートを欺く為にな。」
口端を上げるジキル…。
ルアンは俯いた。
「俺は貴様を信じた事など。
一度も無い。」
その言葉が…ルアンの心を痛めつける…