その瞳に…魅せられて。
赤と黒を体に持ったその鉄の塊に…
ジキルはため息を吐いた。
(まさか…
こんな小細工まで用意するとは…)
肩の剣を抜こうともしないジキル。
そんなジキルを捕らえたらしい
4本足の機械獣は…
鋭く尖った足を一本上げ、
ジキルの方に勢い良く伸ばす…。
ビキビキビキッ!!
そう音を立てて…
石で出来た地面は罅割れた。
ジキルは一歩足を動かしただけで、
その素早い動きを避け、
余裕の表情を見せる…。
(小細工は小細工だな)
ジキルは機械獣の攻撃を避けながら
歩いて近付いていく…。
そして…視界に移ったのは…
もう一体の機械獣の姿だった。