その瞳に…魅せられて。
「彼女の言う通り…。
生きてるんだ。ゼルは…。
…しっかりしなきゃな。」
そう小さな笑みを漏らして…
ライターは部屋を出て行った。
「不思議な力があるのね。
彼女には…ジキル同様。」
レナがそう微笑むと…
ラックスは眉を下げる。
「いや…ジキル以上だ。
でないと…、ジキルを変えさせる
なんて事、できるはずが無い。」
頭を掻き毟るように掻いたラックスは
小さなため息を吐いた。
「あいつでも…死ぬんだな。」
そのラックスの一言で…
また部屋が沈黙に包まれる。
そして…3人は同じ事を思った。
―――あいつが死ぬなんて…
信じられない………と。