その瞳に…魅せられて。








「彼女の言う通り…。
生きてるんだ。ゼルは…。
…しっかりしなきゃな。」

そう小さな笑みを漏らして…
ライターは部屋を出て行った。


「不思議な力があるのね。
彼女には…ジキル同様。」

レナがそう微笑むと…
ラックスは眉を下げる。


「いや…ジキル以上だ。
でないと…、ジキルを変えさせる
なんて事、できるはずが無い。」

頭を掻き毟るように掻いたラックスは
小さなため息を吐いた。


「あいつでも…死ぬんだな。」


そのラックスの一言で…
また部屋が沈黙に包まれる。




そして…3人は同じ事を思った。



―――あいつが死ぬなんて…
信じられない………と。






< 214 / 233 >

この作品をシェア

pagetop