その瞳に…魅せられて。
外へ出たゼルが向かったのは…
ジキルと過ごしたあの部屋へ戻っていた。
ミーティングルームに…
いつも座ったソファー。
皆でご飯を食べたテーブル。
「ホントにもう…、居ないんですね。」
独り言のように呟いて、ふと、
目をやったその先は…ジキルの部屋。
『入ってくるな。』
前にそう睨まれたのを思い出しながら…
ルアンはゆっくりそのドアへと向かった。
ゆっくりとドアノブに手をかけて…
ドアを押す…。
カチャ…と、呆気なくドアが開いて
シンプルな漆黒の部屋が姿を現した。