その瞳に…魅せられて。
「自分が一番の御方でした。あの方は。
死ぬ事も知らないで、『重要な仕事だ』と、
そう言えば簡単に信じて、貴方方に近付いた。
何もかも、名誉の為。そして…」
要らぬ、プライドの為…
そう男はため息を吐いた。
「おめぇの親父を。
おめぇで殺そうとした理由はなんだ?」
握り拳を震わせながら声を出すラックス。
「あの御方は
血を分けた尊い父では在りますが、
我が母、兄を殺した敵ですから。」
にっこりと微笑む彼。
ラックスは少し首を傾けた。
「我ら、ラスフォアにも敵はいます。
それが貴方方ロイド。
危険にさらされた事は何度もありました。
貴方方は、我らを倒す(殺す)事が
任務なのですから。」
手に持っていた棒をくるくる回しながら
そう答える男。
「勘違いしてねぇか?それは昔の話だ。
俺らは依頼に従うだけ。」
「えぇ、でも。
“殺しても構わない”でしょう?」
ぴたりと棒の動きを止めて此方を向く男に…
ラックスは歯を食いしばった。