その瞳に…魅せられて。





そっと後ろを振り返ったライター…。
…そこには、大勢の倒れた男達の姿。



(ふっ。血も涙もねぇな…ジキル。)



そっと立ち上がり、ズボンの汚れを掃う…。


顔を上げれば…
酷い眩暈と頭痛に襲われた。



「くっ…」

額を手で抑え、ジキル達の方を向く…。


2人の背中が…ダブって見えるのは…
気のせいではないらしい。


「落ちたもんだ。この俺も。」

自分を嘲笑い…
そっと歩き出したライターは
足元に倒れている機械獣を一蹴りして、
くわえていた煙草を吐き出した。


「よくもやってくれやがったな…。
おめぇは、よぉ…」

片方の口端を上げ、そのまま
機械獣に背を向けて歩き出す…。


そんな様子を…
ライルは屋根の上から見物していた。







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