その瞳に…魅せられて。
「おめぇなら、
こんな風に庇うなんて事。
無いだろうな。」
絵画を見たライターはそう声を漏らす…。
「違ぇねぇ!まさか、こんな事…」
地球が滅ぶ事より難しいぞ!…そう
ラックスが言い切る前に…。
ジキルは、その絵画に炎を放っていた。
額だけ残り…黒く見えなくなった絵…。
その題名は…『愛』
「ふっ、くだらない。」
そうジキルはその題名が
書かれた板にも火を放った。
目を丸くする二人…、
歩き始めるジキル…。
(愛だと?…そのような物、架空の感情。)
枝分かれした階段の右の方へジキルは向かった。
(ましてや、俺と同じ化け物が…
この世に居るはずが無い…)
カツ…カツ…そう鳴り響くジキルの足音…。