その瞳に…魅せられて。
ジキルは迷う事無く、
一番奥の部屋に向かって歩いていた…。
背の大きな翼から…一枚の羽根が宙を舞う…。
(愛などと……)
ジキルは小さく舌打ちをし、
足の速度を速めた。
後ろからついてくる
2人を横目で確認してから…
あるひとつの部屋の前で
足を止め、耳を済ませる。
…と、微かに……ポチャン…。
そう水音が聞こえた。
鼻を掠めるのは…血の匂い。
この部屋で間違いは無いようだ。
それにしても…
(何故…血の匂いが…?)
ジキルは眉間に皺を寄せて、
ドアを押し開いた…。