その瞳に…魅せられて。






ふっと…倒れそうになった
彼女を抱きかかえたジキルは
…そんな彼女の顔を横目で見た。



プラチナブロンドの腰まである長い髪…
整った顔立ちは…目を瞑っていても
美しく、端麗。


彼女の瞼が微かに動いたと思うと…
その紫石英色の瞳が露になった。


潤んだその瞳は…見た事も無い色。


ジキルは顔を顰めた。


「……名は?」

いつものように冷たく言い放つジキルは
そっと彼女から離れる…。


まだフラフラと倒れそうな彼女は、
必死に足を踏ん張っていた。


立つだけでも、体に激痛が走るのか…
その美しい顔を歪める…。


そんな彼女にも容赦なく…
ジキルは冷めた視線を向けた。


「聞こえないのか。名はなんだ?」

冷めた声…彼女はびくっと、
体を揺らせ…瞳を潤ませた。








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