その瞳に…魅せられて。
ジキルは顔を顰めたまま、彼女を見ていた。
白い肌に真っ赤な血…。
喉を抑え、首を振るだけの彼女…。
ジキルはため息を吐いた。
「……ショック症状だ。」
「は?」
ジキルの言葉にラックスは声を上げる…。
「どういう事だ?」
ライターは自分の方へ向く事の無い
ジキルに顔を向けて尋ねた。
ジキルは彼女へと近付き、
震える彼女を引き寄せる。
自分の胸の中に納まった
彼女の頭に開いた片手をやり、
テンポをつけて撫でる…。
「…奴らの拷問で、
声が出なくなったとでも言おうか。」
ジキルはそう横目で
2人を見つめて答えた。