その瞳に…魅せられて。
「おめぇのお荷物にはなんねぇよ!
上級ロイドなら、
女一人なんて御手のもんだろうが!」
「……。もう既に、荷物だ。」
ジキルは冷めた声で言い放つと、
ライターの腕を振り払う…。
そう歩き出そうとしたジキルは
思い止まった。
足を止め、振り返り、片手を伸ばす…。
その手にはすっぽりと彼女が納まった。
彼女の体が、倒れそうになったのを
…受け止めたのだ。
荒々しい息…ぐったりとした体。
赤く染まった頬…。
額に触れれば…有り得ないほどの
熱さがジキルに伝わってきた…。
「…良いだろう…。」
そうジキルは呟くように言って、
彼女の顎を掴む…。
ぐいっと上に顔を向けさせて…
ジキルはそのグレーの瞳を
彼女に合わせた。