その瞳に…魅せられて。







ジキルは震えるルアンを床に下ろした。


階段の手すりを掴めるように
そこへ手を置いて…。


ジキルはルアンを庇うように
ライルに視線を向ける…。


「我が兄の望みも…。
貴方が消え失せる事。」

正気の無くした目…。


ジキルはオールバックにしている
前髪を掻き上げた。


煙草をくわえ…火を付ける…。


「お前と戦う気は、さらさらない。」

「やはり、怖いのでしょう?
……死ぬのが。」

ジキルの言葉にそう返すライル。


「地獄の底へ…また沈むのが。
怖いだけでしょう?」

クスッと、不敵に笑い…
ライルは後ろのルアンに目を向けた。







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