その瞳に…魅せられて。






機械獣の頭部には
ジキルの剣が突き刺さり…
その胴体全て、包み込むように
氷と化して固まっている…。


ルアンの背に腕を回し、
大きく羽根を広げているジキル…。


そんなジキルを見上げるルアンは…
酷く不安そうな顔を見せていた。


「…怪我は無いか?」

その冷めた声でルアンに尋ねる…。
ルアンは小さく頷くと、また瞼を閉じた。


「ライル…。」

ルアンから離れ、立ち上がると
腕を横に伸ばす…。


すると、


ガクガクガクッ。
カラ…カタカタ…。


と音を放ちながら機械獣に
突き刺さる剣がひとりでに動き出した。


そして、機械獣から離れると…
ジキルの元へ飛んで、
その伸ばした手に着地する。







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