その瞳に…魅せられて。
ジキルは黙ってルアンの元に行き、
その小さい体を抱き上げる…。
そして…立ち尽くすライルを
通り過ぎ、ドアに向かった…。
「其処まで…する事ですか…?」
悔しいそうなライルの小さな声に…
ジキルは立ち止まった。
「貴方が憎む男が惚れた女だ!
助ける必要なんてないだろう!!」
叫びにも似たライルの大声…。
ジキルは後ろに振り向く事は無かった。
「ただでさえ…、
その2人の男を庇って重症だというのに…。」
そのライルの言葉に…ライターは瞳を伏せた。
ギシギシと歯軋りの音がする……。
「……任務は絶対だ。
悪いが、人間を助けるほど
御人好しでは…」
「我が父の銃弾は?」
そうライルはジキルの言葉を遮っていった。