その瞳に…魅せられて。






そして…一気にナイフを傷口に刺すと…
掘り返すように銃弾を取り出した。



カラン…。


金属の入れ物に銃弾を置くと、
今度はウォッカを棚から取り出し…
自分の上半身にかけた。

茶色い液体が
血と混じり…変色して体を流れていく…。


そして、荒々しく包帯を巻くと
ルアンの眠る寝台に足を向けた。


「ジキル…そんなやり方で良いのか?」

ライターはそうゼルから離れると
ジキルに近付いて言う…。


「…大した事無い。」

視線も向けずに、ジキルはそう言うと
ルアンの元へと歩き寄った。


額に手を当てても熱は無い様で
息も整っている。


包帯の巻かれた体は痛々しい…。






< 63 / 233 >

この作品をシェア

pagetop