その瞳に…魅せられて。





「どうした」


ジキルの背中の傷は痛々しく…
包帯が巻かれている…。

その傷にルアンの頭が
当たっているのにもかかわらず…
やはり無表情。


…ルアンはただ首を振るだけだった。


「…ここに居る者は、
奴ら、ラスフォアとは違う。
怯える必要は無い。」

そっと腰にまわった手を解くジキル…。


そして、ルアンの方へ向き返った。


「手当てをしてもらえ。
危害は加えない。」

ジキルはそう言うとまた、
ルアンに背を向けようとする…。


そんなジキルの右腕を
ルアンが両手で掴んだ。








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