その瞳に…魅せられて。






「なっ!」

そう声を上げたのは…
ラックスだった。


今まで、ジキルを怯える人間はいたが…
ジキルに懐く人間は見た事が無い。


「…ちょっと、これ…。
どうなってるの?」

ゼルはそう目を見開いた。


「さぁな、同人種の“絆”って、やつ?」

ライターは驚きを隠すように
煙草を思いっきり吸い込む…。


「でも、ジキルにもやっと春が…」

「勝手な思い込みは、止めてもらおうか」

レナが言葉を言い切る前に
ジキルの冷めた声が部屋に響いた。


一瞬で静まり返る部屋…。
それでも、ルアンはジキルの腕を
放そうとはしない。


「俺は任務を遂行しているだけだ。
『ルアンを守れ』という任務をな。」

ジキルはその冷めた瞳を4人に向けると
ルアンの手を腕から離して
今度はジキルがルアンの手首を握った。










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