その瞳に…魅せられて。
「…何で、いきなりそんなこと言うの?
レナ、ジキルを信用しちゃいけないって…。
そう言いたいの?」
レナの言葉にゆっくりと
声を発するゼル。
「いいえ、決して。
そう言いたい訳じゃないわ。
ただ…今まで長い付き合いをしていた
私達には踏み入る事を
許さなかった領域に。
昨日会ったばかりの彼女を入れるなんて…
少し、寂しいわ。」
レナはゼルにそっと2枚の羽根を渡すと…
部屋から出て行った。
ゼルはその2枚の羽根を見つめて…
そっと小さなため息を吐いた。
『ただ…今まで長い付き合いをしていた
私達には踏み入る事を
許さなかった領域に。
機能合ったばかりの彼女を入れるなんて…
少し、寂しいわ。』
そう言ったレナの言葉が自棄に耳に響く…。
「私だって…」
(同じ気持ちよ…)
そっとその羽根を棚の上に置くと
ゼルは部屋から出て行った。
空は青空。雲ひとつ無い。
こんな日は…何もなさ過ぎて…
ある意味怖い…。