その瞳に…魅せられて。
「ジキル。」
そんなジキルを呼ぶライター…。
ジキルは視線だけをライターに向けた。
「寝てんぞ。」
そう言うと、ライターは
また白い息を吐く…。
そっと、ジキルがルアンに顔を移すと…
すやすやと無防備に寝ていた。
額に手をやると熱は無いのが分かる。
少しホッとしながらも
ジキルはルアンを抱き上げ、
ソファーに寝かせた。
そして、先ほどの席に戻ると
同じように空を見上げ、黙る…。
ジキルの頭では…
ライルの事が渦巻いていた。
どうしても忘れられない…
あの哀願した瞳だけは…どうしても…。