その瞳に…魅せられて。







「…ジキルの“壁”か?」

机の上に落ちた煙草を拾い、
灰皿に押し付けるライター。


「あぁ…」

と、ラックスも納得した様に
視線を落とした。


「私達…こんなに遠かったっけ?」

「…もっと、近い気がしてたのになぁ…」

ゼルとレナはそう瞳を潤ませる…。


「仕様がねぇよ。
アイツを苦しめたのは
俺達同様、人間だ。」

「同じ過ちを繰り返さないように
する為には…“距離”が必要なんだろ?」

ラックスとライターも
そう真剣な顔付きで答えた。


仲間なのに…こんなに遠いなんて…。


そう4人はいつも心のどこかで
思っていたのかもしれない。


「距離って…辛いね」

レナはそうひとつ
ため息を吐き出した。









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