その瞳に…魅せられて。







ジキルの体に振動が走った。



ふと、右腕を見れば…
寝ていた筈のルアンが
ジキルの腕を掴んでいる…。


「…悪い、起こしたか。」

そうジキルがルアンの体を
離そうとすると…その掴む力を強め、
頭を横に振るルアン…。


ジキルがため息を吐くと
ルアンは体を揺らした。


「良いだろう。
ルアンを連れて行く。」

ジキルはルアンの頭を撫ぜると
部屋から外へ出られる
唯一のドアに向かって
歩き始める…。


そして…ドアノブに手をかけたところで…
ジキルはそっと立ち止まった。

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