その瞳に…魅せられて。
「命令は絶対。だから従う。だが……。」
そうジキルは視線をそっと後ろに向ける…。
……背は向けたままで。
「貴様ら人間の考えは、どうかと思う。」
静かに言い放ったジキル…。
レイは椅子から立ち上がった。
「っ!ジキル!!俺は…」
「問答無用と言ったはずだ。」
レイの言葉を遮るジキルの声…。
ルアンはそんなジキルを
不安そうに見上げていた。
そんなルアンに視線だけ向け、
頭を撫でてやる…。
「我ら『魔族』が、
貴様ら『人間』に対する信頼を変えるだけ。
それだけの事だ。」
ジキルはそれだけ言うと…
ドアノブを押し、
外へと出て行った。