その瞳に…魅せられて。
「はぁ…」
ジキルが出て行った部屋…。
レイは一人力が抜けるように
椅子に腰を下ろすと…頭を抱えた。
「まさか…。」
(あんな風に感情を剥き出しにするとは…)
「ふっ…」
鼻で笑い、ウォッカを口に含む…。
『…っ…ふざけるなっ!』
『ルアンの護衛になる事は構わない。
だが、敵地に連れて行けだと?
貴様らは何を考えている!』
『ルアンは誰によって怪我を負った?
ルアンが今一番恐れている者は何だ?
恐怖の何も分かっていない貴様らが
勝手に決める事ではないだろう!』
ジキルの言った言葉。
一言一句欠けずに…思い出す。