その瞳に…魅せられて。







「どうしたんだろうね~…ジキルは。」

らしくも無い。そうレイは呟く…。


そして、ふと。ルアンの事を思い出した。


…ジキルにしがみ付いた彼女。
思い出すだけで声を上げて笑いそうになる。


「あのジキルが、振り払わないとはね。」

眉間に手を当てて、そっと机の上にある
水晶に目を向けた。


仲良さそうに一緒に歩いて帰る
2人の姿が映し出され…
レイはそっと微笑んだ。


「良かったよ。ジキル」



(もうあの過去は…忘れてしまえばいい。)



空になったボトルに…微笑むレイ。


その姿は余りにも寂しそうだった。



「ジキル…」




(…幸運を…)









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