愛しシンデレラ



…と、思った瞬間、教室のドアからひょこっと佐倉くんの顔だけが現れた。





「これ、どこで拾ったの?」

「家の前の桜の木の下だけど…」

「ああ、どうりで…。
ありがとう、助かったよ」





佐倉くんは再び眩しいくらいの笑顔を見せ、ざわついた教室へ消えた。



"どうりで"って、どういうことだろう…?



少し気になったけれど、教室に入って友達と話し始めたら、そんなことすっかり忘れてしまった。



ピンクの便せんのことも、佐倉くんの意味深な言葉も…。



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