★My Homeの秘密★♪〜brother&sister〜
「君が冬兎くんかい?」
知らない人…いや、正確には知っていた。
来ないだ見に来ていた夫婦達だ。
「…はい」
そのとき女の人が美人だというのが、印象的だった。
僕が返事をすると、2人は顔を見合わせ柔らかく笑う。
そこだけ、暖かい風が吹いたような気がした。
「おじさん達の家に来ないかい?」
おじさんは僕に目線を合わせるようにしゃがんで。
他人の僕に優しい笑顔を向けながら、手を差し延べてきた。
…――そんな笑顔を見たのは久しぶりで。
僕は知らず知らずのうちに、差し延べられた大きな手に手を乗せていた。
その時の包まれるような手の温もりの暖かさは、今でも忘れない。