★My Homeの秘密★♪〜brother&sister〜
僕ら4人、車内で会話を交わすことはなかった。みんな、黙っていた。
きっと…みんな同じこと考えてたんだと思うんだ。
“家族”になんか、なれっこないって。
「ここだよ」
住宅展示場にあるような、大きな暖かい家だった。
ここがこれから僕の家になる。
少しだけ、胸が弾んだ。
僕らが車から降りると、おじさんが玄関を開けた。
「栞ーっ!!」
途端、おじさんは大きな声で呼んだ。
実の娘の、名前だろう。
栞…変わった名前だな…。
バタバタ…ッと階段を駆け降りる音が聞こえた。