ミスり探偵 J。
そして、すぐに分かる。
道がない。
いや、『橋が落とされている』。
「え?」
あったはずのワイヤー性のつり橋は、こちら側の崖に張りついている。
つまり、向こう側から切られたのだ。
「『陸の孤島』・・・」
「そして、あそこで燃えているのが」
Jが指差す方向を見ると、木々の向こうから炎が上がっている。
「『みんな、一緒に燃えちまえ』・・・」
「もう、全部終わった後みたいだな」
「わ、私の、晩御飯んんん」
力なく膝から崩れ落ちそうになる私を、Jは優しく首根っこをつかんでくれた。
おかげで、ドレスは泥に汚れずにすんだ。
でも、私は子猫か。
Jは、胸ポケットから招待状を取り出し、遠い目をした後、帽子で顔を覆って、
「・・・来る日をミスった」
と、呟いた。