ミスり探偵 J。

「じゃあ、これが最後。『長い廊下の謎』の時、俺はなんて言った?」


ここで突然、関係のない話になった。
さすがに、これは繋がらないだろう。
でも、一応、考える。


「え? えーと・・・なんか、言いましたっけ?『吐きそう』?」
「それじゃない」

即答された。


えーと。あとは、

「『お前でも解けるだろ』?『トリックと動機と手順が分からない』?」




あれ?




「犯人がない」



ミステリー解決の基本は、
何故、誰が、どのように、やったか。だ。


Jは、あの時、犯人が分からないとは言わなかった。

だとしたら、あの時点で、犯人を特定していたことになる。

しかし、あの事件は犯人を特定したらトリックも同時に瓦解するタイプのミステリーだ。
犯人だけが分かるというのは、妙だ。

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