I pray 信じて……

ノック

でもって本格的な練習が始まったのだが、練習になるのだろうか?とナナコ以外の9人が思った。

例えば内野ノック。

1度に2個のボールを打って、その2個ともを捕れなんてことをナナコは言う。
「ほらほらシゲルはん!試合中飛んでくる球は1個とは限らないで」いえ、限ります。

あるいはまた、自分で打つ代わりにピッチングマシーンを使って150キロの球を飛ばしてみたり。

「ぎゃああああ!!」
「なによけてんねんジュンはん!メジャーの打球はこんぐらい速いんやで」メジャー目指してません。てか、殺す気ですか?

あるいは外野ノックのときに、なぜかバントを転がしてみたり。

「センターケンゴはん!はよ捕らんやー」センターはバント処理しません。それ嫌がらせでしょ、単なる。

「ちょ…ちょっと待ってよ!」
ここでシュウがナナコに抗議をした。

「なんや、シュウはん」
「野球部っていつもこんな練習してるのかい?」
「せやけど?」
罪悪感が全く感じられない顔で答えた。

いつもやってるんだ……サカキ先生、何考えてるんだろう…。サカキ先生のやり方は絶対間違ってる。
サトシとシゲルとヒロシはそう思った。

放課後には休みなく練習が行われ、やがて1週間の月日が流れた。






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