I pray 信じて……

試合前日の練習が終わり、サトシとシゲル、ヒロシの三人での下校の様子である。

「ナナコの奴、野球の事になると熱血だぜ」

「ホント、あんな女の子始めてみたよ」

「でも銀河高校と言ったら甲子園の出場経験があるところだよね？」

「それが問題だよね」とシゲルは腕を組んで言うとサトシとヒロシはうんうんと頷く。すると三人の後ろから「サトシ―」と呼ばれて三人は振り返ると声の主はカスミだった。

「カスミじゃん。部活もう終わったのか？」

「うん！それでサトシ、ちょっと付き合ってくれない？」

「じゃあ僕らは退散するとしよう。二人の世界を邪魔しないようにね」
「そうだね」
「お前らなぁ……」
「良いじゃない。私達が付き合ってるのみんな知ってるんだし」
シゲルはサトシに軽くからかうとヒロシと共に二人を背にして去っていった。そう。この二人は一ヶ月前から付き合っていたのだ。告白をしたのはサトシは鈍感なのでカスミの方から告白をしたのである。