I pray 信じて……

カスミがサトシを公園に誘った頃。二人で下校しているもう一組のカップルがいた。キザでナルシストで容姿端麗でハルカに「美しくない」など嫌味を言うシュウとスタイルは良いものでありながら、ラーメン五杯で半分だと言う位の大食い少女、ハルカである。
さっきも言ったようにこの二人は付き合っている。先に告白したのはシュウである。ハルカは最初、サトシに好意を抱いており、そんなハルカはサトシに告白したのである。しかしサトシは少し戸惑ったが「好きな娘がいる」と言われ失恋してしまった。
それを見たシュウはハルカを慰めた。慰めるとハルカは直ぐに立ち直った。シュウはやれやれと安心したかのような態度とった。それからシュウはシゲルやケンゴ、ジュンなどに相談してもらい。シュウの気持ちをハルカに明かしたのである。そして今に至る。

「ハルカ。君がトップバッターなんだから君の打球が勝敗に繋がるよ」
「分かってるかも！」
「『かも』なんだろ？」
「『かも』は私の口癖よ！」
会話の風景いつもこんな雰囲気である。二人は暫く歩いているとＶ字の通路に差し掛かった。二人の帰り道はここで別々になってしまう。ハルカは「じゃあ明日ね」と別れを告げたその時、シュウはハルカを呼び、何処から出したのか一輪の真紅の薔薇を取り出し、ハルカに差し上げる。「ありがとう」と言ってハルカはその場を立ち去った。