I pray 信じて……
一回裏、深奥高校のベンチである。

「まだまだこれからやで」とナナコは言うと、

「でもナナコちゃん。もう三点も入られてるんだよ」と弱気な声で言うのがヒロシだ。

そう、案の定、シゲルは打ち込まれ、一挙に三点を取られてしまっていたのだ。

「アホ!何弱音吐いとんねん!取られたら取り返したらえぇんや!てなわけで、一番バッターハルカはん!」
「よし!」

ヘルメットをかぶったハルカが元気よく返す。そしてバッターボックスに入った。

「さぁ掛かって来なさい」

とバットを構え、ピッチャーを睨み付けるハルカ。だが、ピッチャーや他の選手たちは吹き出した。

「君、バット逆さま」
と主審に言われ、ハルカは顔を赤くして慌ててバットを元の向きに戻す。

そしてハルカはあまりの恥ずかしさに集中力が発揮されず、見逃し三振に終わった。

これを見たハルカの弟、マサトは目を片手で隠して「何やってるんだよ」と小さく呟いた。

一方。銀河高校ベンチでは
「ハハハハ!あのバッター私と同じ女だからちょっと期待してたけど損したわ。しかもバットの向きを間違えるなんて」

「無論だ。この勝負、完全に我々の圧勝だな」

とマーズやサターン、そして他の選手たち誰もがそう思っていた。


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