I pray 信じて……
ショートのシュウはヒット性の痛烈な当たりを逆シングルでさばいて内野ゴロにし、
キャッチャーのサトシは盗塁を狙うランナーに素早い送球で盗塁を防いだ。

センターのケンゴはさすが野球経験者。大強骨でホームめがけてレーザービームのごとき返球を見せたりもした。

そして攻撃の面でも、寄せ集め深奥チームは一筋縄ではいかないしぶとさを見せた。

ハルカはさっきの出来事をの記憶をまるで消したかのような表情になり、敵の意表をつきセーフティバントで出塁をして見せたし、また、ノゾミにしても、ヒットや出塁こそかなわなかったが、犠牲フライにしてサードにいるランナーを走らせるタッチアップで一点を追加させた。

そしてそして、なによりも圧巻なのはシンジの活躍だった。この目付きの悪い三番打者は、まずその目付きで相手ピッチャーの戦意を喪失させる。スローボールを投げさせるようなくらい。
ドカンドカンとホームランを打つ。もう打ちまくる。

というわけで。
強豪銀河高校とのこの試合、八回表を終わった時点で
11対8
深奥高校の三点ビバインドという戦況であった。


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