I pray 信じて……
さあそして、ノーアウト一、二塁の好機に、脅威のスーパーエースの三番打者シンジの登場である。

「シンジがホームランを打てば同点だ!」

「シンジはん。頼むで!」

シンジは何も返事をせずバッターボックスに向かう。

でもって………

ギンッ!という強烈な打撃音のあと、打球はビュン、センターの時計を破壊。スリーランホームランとなった。11対11、同点である。

「ぬるいな……」

シンジはその言葉を残してホームイン。

「カスミ。もしかしたらこの試合…」

「勝てるかもしれないわ!」

というムードがいよいよ濃よく漂い始めた深奥高校側客席とベンチであった。




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