I pray 信じて……
どこぞの病院。

個室のベッドで、サカキの顔色はだいぶよくなっていた。

「大健闘じゃねぇか。引き分けなんてよ」

サカキは言った。

「勝ちたかったです。」

ナナコは悔しそうに言う。

「いやいや、上出来だ。出来すぎぐれーだ」

「褒めて頂けるんなら」

「あと俺達、今週中に退院するって言ってたぜ」

「ホンマですか?よかったです」

「ただな」

「はい?」

「てめぇはもう料理は作るなぁあああ!!!」

「はひーーーー!!!」


可哀想なナナコである。


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