ラブ・ワールド
あたしたちは、遅めの ランチを 食べる。


セックスって ご飯 食べる前が いいみたい。


男は どうだか しらんけど。


女の子って あんまり 性欲ないし


さらに 満腹だと セックス欲 減ってしまうらしい。


メンズ諸君。


覚えときな。


女の子 狙うなら 食事まえだってさ。


「おいしそー。イタダキマス」


今日は キノコとシーチキンのクリームパスタと

トマトとベーコンのスープ。

それから グリーンサラダ。


野菜は採らなきゃね。


「おいしー、おいしー、おいしー★★★」


「はい」


あたしは ナナの目の前に 頬っぺたを出した。


ナナは あたしの 頬っぺたに キスをした。


リビング兼ダイニングの ローソファ。


あたしたちは 向かい合わせに 座らない。


隣同士に 座る。


ご飯食べる時も


テレビ見る時も


眠る時も


歩く時もね。


「レイはおりょーりじょーず。どこのレストランよりおいしー」


ナナは いつも そういいながら


あたしが作ったものを 食べてくれる。


食べてくれるひとがいると 作り甲斐もあるってもんだよね。


「よかった」


あたしは ナナの 嬉しそうな 顔を見ながら パスタを食べた。


食事を終えると


また ゆっくり


タラタラと 時間を過ごす。


あたしは こないだ 意気込んで 買った


『スローセックス』の本を 読んでいた。


役に立てば いいけどね。

ナナは 仕事で 試験があるから 勉強をしていた。

穏やか。


至極、穏やか…。


二人でいると 喧嘩も少ない。


たまーに どちらからともなく ちょっかいを出す。
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