ラブ・ワールド
なるべく、二丁目という 特殊な世界でしか 生きて行けない人になりたくなかった。


ここでしか いきられないなんて


逆に 相当 強さが必要だと言うことを


レイは知っていた。


30分ほどして、ヒロコが加わった。


「こんばんわ」


挨拶を交わすと、改めて4人で乾杯をしなおした。


12時を過ぎないと、イベントは盛り上がらないということで


それまでリュウのバイトする店で時間を潰してから 場所を変えることにした。


……………


入口は、すでに人だかり。

掻き分けながら 中へと入って行く。

「大丈夫?」


レイはナナの手を離さないように すこしでもスペースのある席を探した。

2階の席。


「混んでるね」


久しぶりのイベント、クラブ。


ナナとヒロコをテーブル席に座らせて


リュウとレイは ドリンクを取りに下へ戻る。


ドリンクのカウンターも人だかり。


諦めて順番を待つ。


2階の席では。


見るからに、女の子らしい女の子二人組は、こんなイベントでは華。


「一緒に飲みませんかー?」


何周目だろうか。


レイたちが下へ降りて10分と経たないのに。


もちろん 声をかけてくるのは


同性なんだけど…。


ナナは、同性なのに こんなにギラギラと女の子を狙っている 同性がよくわからない。


男とおなじか もっとひどいじゃないか………。


「早く戻ってこいー」


ナナとヒロコは笑う。


「ナナさんは、レイのどこがすきなんですか?」


ヒロコが突然。


話し出した。


「面白くて、優しい」


ナナは、笑った。


「……。ナナさんはビアンじゃないんだよね?男もイケるんだもんね…」


ヒロコが 何をいいたいのか分からないが、


ナナを嫌な気分にしようとしているのは間違いない。


自分の直接の友達ならば 一言 二言 言ってやるが




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