鉄のココロ
初めての旅行はふたりだけの一生の思い出となった。
車内はいつものBGM。
『ここから、その目的地までどれくらいかかるん?』
『5時間くらいかな』
『ええっ!!まじで!?
高速使っても!?』
『高速は使わんよ。だって運転に集中しすぎて
シンの顔が見れんくなるしな(笑)』
そう言って、てっぺいは僕の右手をとり、
サイドブレーキ付近で
手をしっかり繋いだ。
なんで、あなたはいつもそう僕の心を掴むの?
たぶん
あなたも
淋しいんだよね?
ふたりだけの世界で
唯一繋いでいるものは
僕とあなたの手と手。
ただそれだけだから。
あなたが苦しんだとき、
手を繋ぐのが僕であるように、
僕もあなたを
支えたい。