鉄のココロ
9時ごろ、ようやくふたりで起き、一階へと降りる。
てっぺいが慣れた手付きで朝食の準備をしてくれた。
『今日はまっすぐ帰るの?』
『ううん、神社行ってお参りして、帰りにいつもの海行こうかなーって』
『熟年カップルやん(笑)
でもいいねー
それよりお腹すいたー
はやくごはんにして!』
『わかった、わかった
焦るな、食いしん坊』
ふと、テーブルのほうへと目をやると、クルミちゃんからの書き置きがあった。
『てっぺい、シンちゃん
おはよう!
さっき部屋のぞいたら
シンちゃんの寝相が悪くて、てっぺいのとこに侵入してたの見て思わず笑っちゃいました。
シンちゃん、またいつでも遊びにきてね。メールもしてね♪
では、気を付けて、
いってらっしゃい。
クルミより』
僕は思わず笑ってしまい、そのメモをてっぺいに見せた。
てっぺいも
笑い飛ばしてくれた。
そのときの
てっぺいの笑顔、
嬉しかったんだよ。
だって、
『僕』という存在を
さらに認めてくれたような気がしたから。