桜色
朝帰りの散歩道
境界線はいつでもそこにあって

気付かないフリして

成り上がっていたのよ あたし

誰もが笑うでしょう


小鳥がさえずって

春の太陽がさす朝

反対方向へ向かう慌ただしい朝よ

花柄のワンピースはなんとも場違いね


少し浮いたあたしは

とぼとぼ

とぼとぼ

一歩ずつ歩いては

あったかくて冷たい涙が頬伝う

気付かれないように下を向くけどよく見えなくて怖い

泣くのを我慢するべきだと頭は言うけれど

溢れて溢れて止まらない自惚れ涙


やっぱり境界線はいつもそこにあって

出会った時から決まってて

取っちゃうことなんて運命が許してくれない

あなたにとってあたしはただの…


優しさがあって

誤解して

我が儘言って

一途すぎて勝手に苦しくて

切なくて

期待して

落胆して

でもまた君が優しく微笑むから

傍にいたいと

特別だと

思ってしまうの



とぼとぼ

とぼとぼ

一歩ずつ歩くあたし

あったかくて冷たい涙が頬伝う

溢れて溢れて止まらない自惚れ涙
慌ただしい朝

誰もがあたしを笑うでしょう
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