エターニア

告白までの間

ここは親の居ない子供や、家庭の事情で家に居られない人たちのための場所、

いわゆる「児童養護施設」だ。

通称、「学園」。

中学2年生の一番最後から学園に入る事になったのだ。

そんなあたしの名前は 佐藤 春(さとう はる)。

今日から、高校生になります!!

新しい制服に袖を通して、いざ、学校へ。

教室に入ると、見慣れた顔の友達がすでに何人か来ていた。

「おはよぉ~」

クラスの友達が声を掛けに来てくれた。

「おっはっよぅ~!!!!」

「朝からチョーハイテンションだね・・・」

そう、あたしは24時間年中無休、ハイテンションなのです!!

寝起きは・・・悪いけどね。

いきなり時間はLHRになって、自己紹介。

名前、好きな芸能人、死ぬ前にやりたいこと、一言を言う事になった。

「・・・です。好きな芸能人は・・・です。」

(あーめんどくせー)

なーんて思いながら適当に考えていると、

「・・・です。好きな芸能人は、EXILEです。死ぬ前にやりたい事は、親に会ってぶん殴る事です。よろしくお願いします。」

・・・・・・はぁぁぁぁぁ???

好きな芸能人EXILEぅ?

かぶった。

しかもっ!

入試のときから大ッ嫌いなあのツンツン髪で、いかにもチャラいですよーみたいなオーラ出してる奴とッッ!!

しかも親に会ってぶん殴るって・・・。

あの人も・・・隣町の施設だもんね。

それが、寺岡 幸(てらだ ゆき)だった。

(アイツだけは絶対、スキにならねぇ・・・)

それが、強く思ったあたしの素直な気持ちだった。

かぶった・・・なーんていつまでもうじうじしてたら、いつの間にか順番が回ってきた。

「佐藤春です。好きな芸能人は、EXILEです・・・。死ぬ前にやりたいことはぁ・・・」

はぁ~・・・もう、やってけないかも・・・。

↑ただかぶっただけ(笑)




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