エターニア
次の日、寺岡から話し掛けてきた。

「昨日さぁ、あの後結構話してたさ。」

(なーんで今あーちゃんの話し出すかなぁ・・・)

「へぇ~・・・あーちゃん、可愛いよね。」

あたしって、可愛くない。素直じゃない。なんでこんな嫌味・・・

「・・・うん。」

ッッッ!!

「だよねぇ~!!あはは」

嫉妬MAX。

泣きそうなのを我慢して笑った。

(そりゃあ・・・聞いたのは自分だけどさ、バカ正直なやつ・・・)


あるとき、いきなり同じ部屋の人に提案された賭け事。

「うちは友也に告るから、春、寺岡に告んな?で、勝った方にハイチュウ買うことね。」

くっだらない賭け事だと思っただろうね。

だけど、なぜかOKしてた。バカだ・・・。

ルールは金曜日まで。自分で直接言う事。

残り、5日。

1日目は心臓ドキドキで話す事さえも難しかった。

2日目は話し掛けたけど、案外そっけなくて、言えなかった。

3日目。

「やーばいっ!!負けるっ!!」

って教室で騒いでると、

「何が?」って。

心臓バクバクなの抑えて、

「金曜日までに好きな人に告白するってやつ。負けたらハイチュウ買わされるぅっ!!」

って、答えたよね。

うち、分かりやすいって言われるから、そのときはもう、あいつは気づいてたかな。

普通に「ふーん」って答えてたよね。

4日目は何も話さずに。だけど、あいつと同じ中学だった女子に協力してもらうことになった。

最終日。何事もなく普通に放課後になってしまった。

部活時間もあいつのことばっかりで、自分でも重症じゃないかってくらい、同じグラウンドの野球部ばかり見ていた。

や、むしろ寺岡を。

部活も終わって、例の女の子と駅で待ち伏せする事にした。

あいつが帰る汽車が来るまで、のこり10分ほど。

ギリギリになってあいつが来た。

心臓バックバクで、線路を渡って逃げた。

「あいつバカだ!バカが約一名いる!!」

ってあいつの声から「うっせ」と一言を言って。

でもあの女の子には、

「汽車の中でうちのことどう思ってるか聞いといて」って言っといた。



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