リスケ
私の人生なんか、転がり続ける石ころのようなもの。いつまで転がり続けるのかな。
ゴロゴロゴロゴロ
ジージージッ。
ヒューヒュッ。
蛍光灯から漏れる電流音。たまに窓ガラスを叩く微かな風音。繊細な音たちが私の神経を高ぶらせる。
ふっ~、今日も一人寝か…。心配だな。辛い。身も心もやつれ果てたボロボロの体に染み入るような冷たい真夜中のこの静けさ。ここ一ヶ月、電気を付けっぱなしで寝る日々が増えた。物音に過敏に反応し、おちおち眠ることすら出来ない日々。女の一人身で、ここまで何不自由なく育ててやったのに、美咲ったらまったく…。親の気持ちなんかてんで分かってくれもしない。まぁ、17や18の小娘には無理か…。親の気持ちを押し付けることなんて。そう娘のことを思ってる親の私も、そういえばあったんだ。小娘の頃、良く親とケンカして、男の下に走り込んだ。うっとうしかったのよね、親が。おせっかいで、心配性で。そりゃ、年頃の娘を持つ親は誰でも心配になるよ。でも、あの頃の私は青春してた。誰にも邪魔されたくなかったの。彼氏と一緒に居るのが楽しかったんだ。あの頃。あの頃が一番楽しかったかなぁ。今、振り返るとね。今年で三十八歳。今でも私の人生は、長い長い坂道を転がり落ちる石ころのように、ゴロゴロゴロゴロ転がり続けているの。今、落ち着いて周り
ヒューヒュッ。
蛍光灯から漏れる電流音。たまに窓ガラスを叩く微かな風音。繊細な音たちが私の神経を高ぶらせる。
ふっ~、今日も一人寝か…。心配だな。辛い。身も心もやつれ果てたボロボロの体に染み入るような冷たい真夜中のこの静けさ。ここ一ヶ月、電気を付けっぱなしで寝る日々が増えた。物音に過敏に反応し、おちおち眠ることすら出来ない日々。女の一人身で、ここまで何不自由なく育ててやったのに、美咲ったらまったく…。親の気持ちなんかてんで分かってくれもしない。まぁ、17や18の小娘には無理か…。親の気持ちを押し付けることなんて。そう娘のことを思ってる親の私も、そういえばあったんだ。小娘の頃、良く親とケンカして、男の下に走り込んだ。うっとうしかったのよね、親が。おせっかいで、心配性で。そりゃ、年頃の娘を持つ親は誰でも心配になるよ。でも、あの頃の私は青春してた。誰にも邪魔されたくなかったの。彼氏と一緒に居るのが楽しかったんだ。あの頃。あの頃が一番楽しかったかなぁ。今、振り返るとね。今年で三十八歳。今でも私の人生は、長い長い坂道を転がり落ちる石ころのように、ゴロゴロゴロゴロ転がり続けているの。今、落ち着いて周り