きっとここで君に出会うために
「連れて行きたいとこがあるんだ。初デート」
初デートが夕方から。
まぁいっか。
「わかった」
「じゃあ6時30分くらいに迎えに行くから、暖かい格好してきてね」
あたしが返事をする前にバイバイと言って一方的に電話が切れた。
なんなんだ。
「陸人君て昨日の子?」
どうやらあたしの電話を聞いていたらしいお母さんが、
あたしの向かいのソファーに座りながら聞いてきた。
「うん」
別に隠すことでもないと思って正直に頷いた。