きっとここで君に出会うために



「そっか、彼氏?」


なんだかニヤニヤしてる。


気持ち悪いよ、お母さん。



「まぁ、うん」



「そう。あの子いい子ね」


いつもの優しい笑顔に戻ってそう言ってくれた。



「夕方出かけるんだけどいい?」


「遅くなるの?」


「わかんない」


何にも教えてくれなかったしね。


それしか答えようがない。



「そう、まぁいいわ。今日のうちに帰って来るのよ」


「うん」



お母さんは元々は放任主義だったのかもしれない。


あっさりと承諾してくれたお母さんを見てそう思った。



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