きっとここで君に出会うために
そこは素直に喜ぶとこなんだろうけど、なんとなくそんな気分になれなかった。
なんだか歌う気にもなれなくてギターをケースにしまった。
「歌わないの?」
一曲しか歌わなかったことが不思議だったんだろうか。
あいつが聞いてきた。
「そう」
えー。ってちょっと不満そうだったけど、無理に歌わせようとはしなかった。
今日はいつもより歌わなかったからまだ時間も早い。
どうしようかな。
家に帰ってもやることないし。
ここは住宅地から少し離れていてこの時間帯は誰も通らないしコンビニもない。
時間を潰すとこがない。