きっとここで君に出会うために



二人して大の字になって寝転がる。


普段のあたしなら絶対こんなことしないのに。



あーあ、絶対こいつの馬鹿が移ったよ。



「今日は三日月だねー」


そんなの見ればわかるから。



「三日月っていいよねー」



「どこが」


つかいちいち語尾を伸ばすなよ。



「だってさ、これからだよ」


「これから?」


こいつの言ってる意味が解らない。



「三日月はこれからだんだんおっきくなってくんだよ。いいじゃん」


「満月も確かに綺麗だけどさ、満月はもう欠けるだけじゃん」

だから三日月のほうが好き。

こっちを向いてニッて笑う。


何かを自慢したあとの子どもみたいだ。


なんかこいつに言われるとムッてなる。






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